妙心寺東林院の精進料理教室に行きました。JR花園駅から歩いて5分、妙心寺のお寺に入ってから東林院まで3分ほどかかりました。

- 場所:〒616-8035 京都府京都市右京区花園妙心寺町59
- 日時:火・金 10時〜13時 1月はお休み。他にも休みの日があります。要予約(まず電話。その後、往復ハガキで申し込み)。
- 金額:3,500円(税込)*当日払い。できるだけお釣りがないよう。
- 持ち物:エプロン、筆記具
- 電話:075-463-1334
まず受講料を払い、初めての人は名簿に住所、氏名、年齢、電話番号を記入します。エプロンを着て10時に調理場、添菜寮(てんさいりょう)に移動します。
お茶を頂きながら、ここの住職、西川玄房和尚のお話と料理の説明を伺った後、グループに分かれて料理開始です。
どの品も、一手間かけたものでしたが、それほど難しいものではなく、また予め、調味料のほとんどは計量され、小皿に分けられていたので、慌てることもありません。
西川玄房和尚は各品の説明をされ、質問を受け付けた後、生徒とお寺の女性1名を残して、出て行ってしまわれました。別室で、残りの品を用意されていたのかもしれません。
なので和尚の実演はありません。調理器具の置き場所とか、ゴミの処理の仕方などなど、分からないことは、入り口で控えている女性に聞きます。素早く、丁寧に対応してくれます。
調理時間にはかなり余裕があるので、料理が苦手でも大丈夫。1グループ4人で3品を、譲り合い、相談しながら、和気藹々と作りあげて行きます。
一番難しかったのは、盛り付けのタイミングでした。あまり早くしすぎると、(ゴマの)香りが飛んだり、暖かく頂くものが冷めてしまいます。出来上がりの時間から逆算して段取りを考え、複数の品を同時に調理するのは、難しいです。

11時40分になると、出来上がった料理をお盆に乗せて、奥書院に持って行きます。そこにはすでに御膳が用意されていて、お寺の方が作って下さった数品が加えられていました。
自分達が作った品も一緒に並べ、暖かいお味噌汁と炊きたてごはんを頂き、和尚に続いて「食事五観文」を唱えた後、一斉に頂きます。
和尚はまた、どこかへ出て行かれました^_^;。足も崩していいよと言って下さったので、正座せずに頂くことができました!

席は窓を向いて景色を楽しめるよう配膳されているのですが、少し奥まったところなので、景色を存分に見渡すことは出来ず、食事が終わったら、庭を眺めに行こうと思っていたのですが、ずっとお隣りとお喋りをしていて、その時間はありませんでした。
食事が終わり、後片付けが終わる頃には、すっかり参加した方々と打ち解け、お腹も気持ちも満足でした。毎月参加している、常連の方も多くいらっしゃるようです。
帰る前に、翌月と翌々月の予約を入れることができます。このひと月に1回(複数回でも受け付けて下さると思いますが)、空きがあれば、いつでも予約可という、縛りのなさが良いです。今後もマイペースで通って行くつもりです。
お寺の造りも、お庭も素敵。この素敵な建物を開放して、料理教室を開催して下さるお寺に感謝。和尚はすでにたくさんの料理の本を出版され、テレビ出演もされている方で、精進料理の世界では有名な方のようですが、とても気さくで飾り気がなく、その人柄は、料理教室でもにじみ出ていました。
(朝日新聞のサイトに飛びます) 西川和尚のらくらく精進料理 ←こちらでも和尚のレシピを読むことができます。
西川和尚は、料理を始める前のお茶の時間に、
精進料理と言うと、魚や動物を殺さない料理と言われるが、じゃあ野菜は殺していないのかというと、そんなことはない。
肉や魚を食べないとは言え、命のあるものを頂いていることには変わりない。また直接命を奪ってはいなくても、畑を作るために木を切り開けば木を殺し、土の中の微生物を殺し、そうやって食べ物を作っているのだから、自分の食べ物のために犠牲になった命に感謝し、その食べ物を作ってくれた人たちの手間に感謝し、頂き物は決して粗末にしてはいけない。
ということを、話されました。こういう話を聞いたのは初めてではありませんが、普段の生活ではすっかり忘れ、精進料理についても、肉や魚を食べない=動物を殺さない=良いこと、くらいにしか思っていなかったので、新鮮でした。
この和尚のお話を聞くのも、目的の1つだと言う生徒さんもいました。お話が毎回変わるわけではないのだそうですが、定期的に聞くことで、忘れていたことを思い出し、気持ちを新たにするそうです。
今回の料理教室で個人的に学んだことは、「砂糖と塩は組み合わせて使う。」つまり、甘く味付けする時には、隠し味に塩を、塩味にする時は、隠し味に砂糖を入れる。砂糖だけ、塩だけの味付けは、深みに欠けるようです。母の作る卵焼きは、甘くない卵焼きですが、砂糖をほんの少し入れると言っていたことを思い出しました。
そして和尚が料理の説明の時、「見ていると皆さん、火加減があまり上手でないですなあ。」とぼやかれていたのが、面白かったです。なのでお出しは多めに用意されたのだそうです。
京都に住んでいる今だからできる、ちょっとした学びの時間を生活に取り入れられて、満足のいく一日でした。
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